消費、廃棄の過程で海洋に流れ出てしまったプラスチックごみの、その後のこと。
プラスチックは世界中で年間3億トン以上生産されていて、その約半分はレジ袋、カップ、プラスチックボトル、ストローなどのシングルユース(使い捨て)製品に使われています。そのうち、毎年800万〜1000万トンのプラスチック廃棄物が海に流出します。これは重さにしてジャンボジェット機5万機分に相当するのだといいます。
海を漂うプラスチックは、波や太陽光にさらされることで細分化し、マイクロプラスチックとなって海洋生物の体内に入り込みます。ウミガメや海鳥が誤って摂食し腸閉塞を起こしたり、餓死するなどのケースが多数報告されているほか、市場で取引される魚の体内からもマイクロプラスチックが確認されています。
また、人ひとりが飲用水や食べ物を介して1週間に体内に取り込むマイクロプラスチックの量は世界平均で約5グラム(クレジットカード1枚分のプラスチックに相当)との研究結果が2019年発表されました。2050年には海洋プラスチックごみが海にいる魚と同じ量にまで増えると予測されています。
●マイクロプラスチックとは?
海に流れ着いたプラスチックが紫外線や波の影響で劣化、粉砕して5mm以下のサイズになったもの(二次マイクロプラスチックという)。他にも洗顔料や歯磨き粉に使われるスクラブ(一次マイクロプラスチック)や、合成繊維の衣類から洗濯時に出るマイクロファイバーが生活排水に混ざって海洋に流出しています。小さすぎて回収は困難であり、自然分解されることなく半永久的に残ってしまうことから、環境・人体に深刻な影響を与えることが懸念されています。