変えすぎないリノベーション。
リゾートハウス貴志は、古い4階建てのマンションで1階部分にテナント、2~4階の各階に1K、2DK、3DKの3タイプの住戸があります。住んでいる人もファミリー、学生、単身、シェアハウスとしてなどさまざま。ベランダのある南側に居室(和室)を確保した、団地によくある昔ながらのレイアウトです。リゾートハウスという名前ですが、特にこれといって「リゾート」の要素はありません。
築31年。何せ古いので、空き部屋が出たら傷んだところを直していくのですが、リノベーションといえるほどのものではなく、例えば琺瑯製の電球ソケットや、キッチンのタイル。あるものでそのまま使えそうなものはすべて残し、徹底的に補修。リノベというより修繕に近い作業です。とにかく「変えすぎない」ことに注力し、アクセントクロスを選ぶときも、キッチンの取っ手やシャワーホースを変えるときも、単にかっこいいものではなくて「古さに違和感なく馴染むもの」を慎重に選んでいきました。
一方で、照明は蛍光灯をライティングレールに変えたり、電球をLEDのエジソンランプにしたりもしています。古さを愛でつつ、今の暮らしにフィットした空間へ寄せていく。あくまでやりすぎない程度に。そんな物件たちです。